その夜、ミサトのマンション。
ツルルルル
「うん、誰だろ? 加持君かな?」
「あ、はい葛城です」
「碇だが」
「えっ!? 碇……司令!?」
「無事に帰ったようだな。ご苦労だった」
「あ。はい!」
ゲンドウの意外な一言に、思わず疲れも吹き飛ぶ。
「それで、いきなりで悪いんだが、頼み事があるのだが」
「はい? 何でしょうか?」
「実は…………」
翌朝。
今日からいよいよ学校の再開である。
「じゃ、シンジ、レイ! 急ぐわよ!」
「ほら、シンジ! あと五分しかないわよ!」
シンジ達三人は、2年A組に向かって走っていった。クラス編成は
元のままである。
「学校再開早々から遅刻寸前なんて、かなりヤバイって感じよね」
「仕方ないよ。みんな疲れて起きられなかったんだから。ミサトさん
なんて、まだ寝てるんじゃないかな? 声掛けても返事無かったし」
「ほら、早く行くわよ!」
「セーフ!」
シンジ達はなんとか、ホームルームの始まる三分前に、教室に着いた。
「よう! シンジ!」
「おはよう、シンジ」
「おはよう~、綾波さん、アスカ」
「おはよ~」×3
昔と変わらない、懐かしい顔と風景がそこにはあった。
「もうホームルームが始まるわよ!」
ヒカリがそう言うとほぼ同時に、初老の先生が教室に入って来た。
「あ~おはよう。みんな元気そうだね」
「おはようございます」
「あ~。早速だが、みんなに紹介したい人がいる」
ザワザワ (転校生か!?)
「あ~。葛城君、入って」
「おはよーみんな! 今日からこの学校で仕事する
事になった、葛城ミサトで~す!! よろしく!!」
「…………」 (し~ん……)
「えーーーっっっ」×6
Bパートの終わりの<完>と、このニセエンディングで驚いた方、ごめんなさい。
最近、罠の仕掛けがおとなしいとの意見があったので、ちょっと強烈な仕掛けを
作ってみました。しかし、ずっとこんな事やっていると、-if-が本当の終わり
を迎えた時、誰も信用してくれなくなる可能性もありますね(苦笑)
ただ、誤解の無いように補足しておきますが、加藤氏の原稿(通称「加藤文書」)
にも、このBパートの終わりに、はっきりと「完」と記載されています。
つまり、当初案では、この海編シリーズの終了をもって-if-は完結する予定だった
のです。事実、第五部のFパートにも「夏までは続けます」とはっきりと書いて
います。
それで、加藤氏は海編を書き上げ、セガサターンの「スーパーロボット大戦F」
なるものにどっぷりと漬かってしまったのです。
しかしながら、彼の創作意欲は失われる事はありませんでした。頭の中では、
次の構想が出てくるようになったのです。もちろん、その背景には、オフで会った
皆さんの反応や、続きを楽しみにしている読者の方の感想メールが大きな力と
なっている事は言うまでもありません。
そんなわけで、海の完結編はもう少し続きます。御期待下さい。