「あ、ミサト! ダメよ変な所押したら……」


 ちゅど~~~ん!!!


 その場に大きな爆発が起こった。理由は書くまでもあるまい……。


 新世紀エヴァンゲリオン-if-

 第十四部 Dパート


 爆発から二時間ほど過ぎた頃、ミサトはネルフ内の病室で目が覚めた。

 「……ここは? ……私……どうしたの……?」

 「ミサト、目が覚めたようね」

 「リツコ……はっ! リツコ! 何があったのよ!? 説明しなさい!
 ぐっ! 痛たたたた……」

 「無理に起き上がろうとしない方がいいわよ。体中かなりのダメージを受けてるん
 だから。……しかし、私ともあろう者が迂闊だったわ。スキーウェアも強化服
 しておくべきだったわ」

 「あんたやっぱり自爆装置付けてたのね! まったくなに考えてん
 のよ!!」

 「何よ、自爆スイッチ押したのミサトじゃないのよ」

 「普通そんなもんが付いてるとは思わないわよ!!」

 「ふっ……ミサト、この私をそこら辺にゴロゴロいる普通の一般市民と一緒にしない
 でもらいたいわね。やはり、孤高の天才は理解されないものなのね……」

 「……確かに迂闊だったわ。あんたを普通の常識人と一緒に扱ったなんて……。
 普通の人に悪い事したわね

 「何よ、その言い方?」

 「何よ、事実じゃないの」

 「うるさいわね! くだらない事言い合ってるんじゃないわよ!
 じゃあ何? 私たちはミサトとリツコのくだらない喧嘩に巻き込まれ
 たってわけ~?」

 「あ、アスカ、無事だったのね、良かった。シンジ君とレイもいるの?」

 「はい、何とか生きてるみたいです。体中痛くて動けませんけど……」

 「……包帯の肌触り……久し振り……」

 「良かった、みんな無事で……」

 「ちっとも良くないわよ! これのどこが無事なのよ!? 少しでも
 動かすと激痛が走るのよ! 一体、何でこうなったのよ!?
 納得のいく説明をしてもらおうじゃないの!!」

 「リツコの暴走よ」 きっぱり

 「…………またぁ?」

 「また……ですか?」

 「……碇くん、包帯お揃い。ペアルック? 嬉しい……」

 「え? あ、ああ、そうだね綾波。あはは……」

 「レイ、論点のずれた会話してんじゃないわよ。それよりリツコ、いい加減
 くだらない事に私たちを巻き込むの止めてもらいたいわね!

 「くだらない事とは何よ、自爆は女のロマンよ。それに、今回スイッチ押した
 のミサトよ。私じゃないわ」

 「ミサトさんが?」

 「だ、だってしようがないじゃないの! まさかそんなスイッチがあるなんて
 思わないでしょ普通?」

 「リツコが普通じゃないって事くらい知ってるでしょー。もっと理解してよ」

 「はぁ~~~。運が悪かったんですね、僕たち……」

 「そんな事ないわよシンジ君、まだ運がいい方よ。だって、もしミサトが別のボタン
 押してたら、本部施設ごと……はっ! な、何でもないわ」

 「リ~~~ツ~~~コ~~~!! あんたって人は……
 そこまで外道だったなんて……」

 「ミサト、こんなの野放しにしてたら本気で命が危ないわよ。寺なんて生ぬるい事
 言ってないで、独房に一生監禁すべきよ。いえ、いっそ亡き者にした方が
 人類のためよ」

 「そうね、確かにアスカの言う通りね。リツコを野放しにしてたらネルフ職員のみ
 ならず、全人類の危機ね。硬化ベークライトにでも固めてしまうべきね」

 「そこ二人、勝手に話を進めてるんじゃないわよ。だいたい、アスカはもっと私に
 感謝すべきなのよ」

 「感謝ぁ~~~? なんでこんな目にあわされて感謝なんかしなく
 ちゃなんないのよ!?」

 「だって、望み通り、プラグスーツ姿のシンジ君に抱き着かせてあげた
 じゃないの」

 「な、な、何言ってんのよ! いつ私がそんな事したってーのよ!?

 「さっき、シンジ君とレイが抱き合ったままで気絶してるところにアスカを突っ込ま
 せてあげたでしょ。あの時アスカだってしっかりとシンジ君に抱き着いてたわよ」

 「そんなの本人が覚えてなきゃ意味が無いのよ!!」

 『くぅ~~~そんな事があったなんて……』

 「私も覚えてない……せっかく碇くんと……」

 「何言ってんのよ、レイはその前にシンジに抱き着いてたんだからまだいいわよ。
 私なんか何も覚えてないのよ」

 「だったら今すぐシンジ君のベッドに潜り込めば? 全身治療してるから、きっと
 よ」

 「え?」

 「え゛?」 がばっ!!

 シンジは慌ててシーツの中を見る。

 「あ、ほんと。私、裸だ……」

 「げ! 私まで裸! な、何で?」

 『み、見られた……』 赤~

 「だって、全身に包帯巻くのよ。仕方ないわよ。……ん? どうしたのレイ?
 シンジ君やアスカが赤くなるのは分かるけど、レイまでそんな反応をするなんて」

 「ちょっとリツコ、何で私を入れないのよ? 私だって知らないうちに裸見られて
 平気なわけないでしょ。そりゃあ、見られて困るようなプロポーションじゃない
 けど」

 「あらミサト、あなたにも羞恥心なんてあったの?」

 「あるに決まってるでしょ! 私はリツコと違って女捨ててないの
 よ!!」

 「私だって女捨ててないわよ」

 「あら、科学に魂売ったわけじゃなかったの?」

 「魂は売っても身体まで売ってないわよ」

 「やっぱり魂は売ってたのね」

 「うるさいわね。そんな事より今はレイの変化の方が大事なのよ。

 『科学者として、感情の少なかったレイが、こんな風に変化する事を見逃す事は
 できないわね』

 どうしたの、レイ?」

 「……身体に包帯巻く時、裸見られてますよね……?」

 「そりゃまぁそうでしょうね。でも、治療だから仕方ないわよ。それに、今まで
 だってそうだったでしょ。どうしたの急に?」

 「私……裸を見せるのは碇くんだけだって決めてるんです」

 「んなっ!?」 (アスカ)

 「あら~~~」 (ミサト)

 「あ、綾波!?」 (シンジ)


 <つづく>


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