新世紀エヴァンゲリオン-if-

 海 編 ニセHパート


 ニセモノではなくホンモノを早く読みたい!


 「さぁレイ、始めるわよ。この棒を持って」

 「はい」

 「じゃ、私は目隠ししてあげる」

 アスカはそう言ってレイに目隠しをする。

 「……これで良しと。レイ、これ何本指に見える?」

 レイの前でVサインをするアスカ。Vサインという辺りがいかにもアスカらしい。

 「……分からない」

 「じゃあOKね。それじゃあ回すわよ」

 「回す?」

 「そう!」

 そう言うと同時に、アスカとミサトはゆっくりとレイを回し始めた。

 くるくるくるくる……。

 と、この時、ネルフビーチに設置しているスピーカーから

 『FLY ME TO THE MOON』

 が偶然流れ出した。
 
 「どうせなら逆立ちして回って欲しかったよな」

 めちゃくちゃな事を言うケンスケである。

 「それじゃあ、今から私たちが誘導するから、指示に従って動いてね」

 「はい、分かりました」

 「綾波! 右だよ!

 「右ね」

 「左よ!

 「左ね」

 「上だ上!

 「上?」

 「上上下下左右左右BA!」

 「?????」

 レイはみんなの言う事に素直に従うので、なかなか目標にたどり着かない。

 「レイ! 早くしないと時間なくなるわよ!」

 「え? え? え? 碇くん……どうしよう」

 「大丈夫だよ綾波! そこから前に三歩進んで」

 「うん」 てくてくてく

 「そこで思いっきり振って!」

 シンジの指示通り、レイは棒を振り下ろした。

 ガツっ!

 鈍い音と共に、スイカはきれいに割れた。

 「やったー!」
 
 「じゃ次はアスカの番ね」

 「ふふふふふ。この私にかかればスイカなんてイチコロよ!」

 夏の暑さのせいか、かなりハイテンションである。

 「じゃあ始めるわよ、いい? アスカ」

 「待って!」

 「何、リツコ?」

 「アスカはスイカ割り慣れてるんだから、ハンデ付けましょう」

 「ハンデ?」

 「そう。二人三脚でスイカ割りするのよ」

 「二人三脚ぅ? じゃ相手は……」

 「当然、シンジ君よ。いいわね、シンジ君?」

 「え? ぼ、僕はいいですけど……」

 「え? シンジと一緒に!? シンジ、足引っ張らないでよ!

 「う、うん……。頑張るよ……」

 『ふふふ。シンジ攻略計画4-3「スイカ割りでシンジと密着」大成功だわ。
 こうなる事を予想して、リツコに根回ししておいたのよね。……これでシンジ
 は私のものよ……。ふふふふふふ』

 「あ、アスカずるい!!」

 「いいのよ、レイ。この話は本編じゃないんだから」

 「え? それどういう事よ、ミサト?」

 「だから、この話はニセモノなのよ。本編にはこんな話は無いわよ」

 「ちょ、ちょっと!? それじゃ私とシンジのラブラブなスイカ割り
 の話はどうなるのよ!?」

 「残念ながら、この話は無かった事になるわね」

 なんですってぇぇぇぇぇぇぇ!?

 アスカは怒ってスイカに八つ当たりを始めた。おかげでスイカは粉々である。


 アスカ様、スイカと大ゲンカ おわり>


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