「お待たせーシンジ!」
「来た~~~!!」×2
トウジとケンスケはそう叫び、慌てて振り向いた。シンジもアスカの声を聞き、
ゆっくりと振り向いた。
そこには、水着姿のアスカ、レイ、ヒカリの3人の姿があった。
「おおおおおーーー!!」
トウジとケンスケは目をウルウルさせている。もちろん、ケンスケはしっかり撮影
している。
シンジも、海への恐怖を忘れてしまうほど見とれていた。
『ふふふ。シンジったら見とれてるわ。ま、無理もないわね。何たってこの私が
水着姿になってるんだから』
「あ、あの碇くん、この水着どうかな? 変じゃない?」
「そ、そんな事無いよ、良く似合ってるよ。ほんと、みんな良く似合ってるよ」
「ほんとに? 良かったー!」
シンジの言葉を聞き、レイも安心したようで、とびっきりの笑顔を見せた。
「ありがと、碇くん」
「ま、当然よね」
『三人とも、か。まぁ、私一人誉めちゃ二人が傷つくから仕方ないか』
あくまで強気なアスカだった。
「あれ? ミサトさん達一緒じゃなかったの?」
「え? ミサトさんまだ来てないの?」
「私たちが最後だと思ったんだけど……」
「分かった! きっと海に来たのはいいけど、人前に出れるようなスタイルじゃないん
で、水着姿になれないでいるのよ。歳とると大変ね。ほんと、かわいそうねー」
ポカ! ポカ!
「いったーーーい!」
「だ~れ~が~ 人前に出れないスタイルですって~~~!?」
「まったく……陰で何言われてるか分かったもんじゃないわね」
「よっしゃ、みんな揃うたようやし、早速泳ごか」
「あ、シンジちょっと待って」
「何、アスカ?」
「あ、あの、だからね、えーと……」
「ん?」
『アスカ、行くわよ!』
アスカは自分に気合を入れ、勇気を出してシンジに言った。
「日焼け止めクリーム塗ってくれない?」
「えっ!!」
「なぁにぃ~!?」
「……で、でもアスカ……」
「な、何よ?」
「この展開は、『尾崎貞夫 エヴァ作品ライブラリ』のページに掲載されている、
尾崎氏の小説、『南の島は絶対レイ度!?』で見たような気がするんだけど……」
「あんたバカぁ!? そんなの-if-とは関係ないわよ! そもそも、この話は
『南の島』を読む前に書いたんだから。逆にこっちがびっくりしたわよ!
『南の島』読んでみたら、同じような展開があるんだから!」
「え? 尾崎氏って、-if-も一般公開前に読めるんじゃないの?」
「そんな事できるわけないじゃない。加藤の原稿は早くから完成してても、
バカゆさくが公開直前まで転記しないんだから。ページ管理者と言っても、
立場は普通の読者と変わらないのよ、尾崎はね」
「そうなんだ……知らなかった」
「だいたい、-if-は『健康的なお色気』を目指してるんだから、
あんなに大胆な事はしないわよ」
「じゃあ、さっそくこの続きを見せてよ」
「まだだめよ」
「……けち」
「なんですってぇぇぇぇぇぇぇ!?」
この後、シンジがどうなったか、誰も知らない……。
<おわり>