新世紀エヴァンゲリオン-if-

 第一部 Cパート


 「あ、綾波っ!」

 シンジは、慌ててレイを支えた。

 「ちょっとリツコ、これは一体どういう事?」

 「そうね……。一度にいろんな事を考えたり思い出そうとしたから、脳に負担が
 掛かったのだと思うわ。記憶喪失の人にたまに見られる症状ね」

 「だ、大丈夫ですよね!?」

 シンジが心配そうにリツコに聞いた。

 「気を失っているだけだから心配いらないわ。念のため、目が覚めたら検査はして
 おくけど」

 「……とりあえず、レイをベッドに寝かさないといけないわね。シンジ君、
 レイをお願いね」

 「ハイ。分かりました」

 三人はレイを近くの病室のベッドに寝かせた。レイは、静かな寝息をたてていた。

 「大丈夫よ、シンジ君。レイはしばらくしたら目を覚ますわよ。それまで、そばに
 いてあげてね。目を覚ました時、シンジ君がいれば落ち着くと思うから」

 リツコはそう言って、不安そうなシンジを落ち着かせた。

 「じゃ、私はまだ仕事があるから……。シンジ君、レイが目を覚ましたら連絡
 してね。……ミサトはどうするの?」

 「そうね……レイは大丈夫みたいだから、アスカのお見舞いにでも行ってくるわ。
 ……シンちゃ~ん、レイを頼むわよ。気を失ってるからって、いたずらしちゃ
 ダメよ


 「し、しませんよ。そんな事!」

 シンジは真っ赤になりながら否定した。ミサトとリツコは、笑いながら部屋から
 出て行った。

 「まったく……ミサトさんって、いっつもあーなんだから……」

 文句を言いながらも、ミサトの笑顔を見るのは久しぶりだったので、怒る気には
 なれなかった。

 それでも、あんな事を言われたので、変に意識してしまい、レイの顔を見て真っ赤
 になってしまった。

 『綾波は僕の事を覚えてるって言ってくれてるし、僕の事を頼りにしてくれてるん
 だな……。誰かの役に立つって、誰かに頼られるって、こんなにも気持ちのいい
 事だったのか……』

 『……とりあえず、今は綾波が目を覚ますまで見守っていよう。綾波がいつも
 そうしてくれてたように……』

 シンジはそう思い、優しい瞳でレイを見続けていた……。



 ミサトは、アスカの病室の前に来た。

 「アスカ、入るわよ」

 そう言って病室に入ったミサトは、目を丸くした。

 「アスカ! あんた何やってるの!?」


 <つまずく……もとい……つづく>


 Dパートを一刻も早く読みたい!

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