新世紀エヴァンゲリオン-if- 

 外伝 参 アスカ、心の 迷宮 ラビリンス

 - 先行公開編 -


 シンジはベッドに寝ころがり、粗末な照明の明かりをぼんやり眺めていた。

 『アスカ、どこに行っちゃったんだろう? もう二日も帰って来ない……』

 『そういえば、ここんとこ様子がおかしかったな……。無理もないか。僕たちは
 まだ十四歳なのに、世界の運命をかけてあんなバケモノと戦ってるんだ。いつ死ぬ
 か分からない毎日。そりゃストレスも溜まるよな……』


 「ア、アスカ!?」

 そこには、アスカが立っていた。この二日間何も食べていないのか、少し頬がこけて
 いた。そして、寝ていないのか、あるいは泣いていたのか、目が赤かった。

 「アスカ?」

 シンジが声を掛ける。しかし、アスカの返事は無かった。何か思い詰めたような
 表情でシンジを見つめていた。

 そして、おもむろに口を開いた。

 「……シンジ、私を抱いて」

 「なっ!」


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