シンジはベッドに寝ころがり、粗末な照明の明かりをぼんやり眺めていた。
『アスカ、どこに行っちゃったんだろう? もう二日も帰って来ない……』
『そういえば、ここんとこ様子がおかしかったな……。無理もないか。僕たちは
まだ十四歳なのに、世界の運命をかけてあんなバケモノと戦ってるんだ。いつ死ぬ
か分からない毎日。そりゃストレスも溜まるよな……』
「ア、アスカ!?」
そこには、アスカが立っていた。この二日間何も食べていないのか、少し頬がこけて
いた。そして、寝ていないのか、あるいは泣いていたのか、目が赤かった。
「アスカ?」
シンジが声を掛ける。しかし、アスカの返事は無かった。何か思い詰めたような
表情でシンジを見つめていた。
そして、おもむろに口を開いた。
「……シンジ、私を抱いて」
「なっ!」