新世紀エヴァンゲリオン-if- 

 外伝 壱 綾波のナヤミ

 - 先行公開編 -


 「おはよう、レイ」

 「あっ、おはよう、あなた」 ニコ

 「ちょうど朝食の準備が出来たから、今から起こす所だったの」

 そう言って、朝のキスを交わす。

 二人が結婚してから既に半年が経っていた。

 「ふふふ……」

 「どうしたの?」

 「また、あの日の事を思い出していたの」

 「ああ、あの日の事か」

 ・
 ・
 ・

 あの日

 それは、シンジ達が三年に進級して間もない日の事だった。

 レイは誰とでも分け隔てなく話せるようになり、クラスの人気者になっていた。

 「ふぅ……」

 レイは溜め息をついていた。そんなレイを見てヒカリが声を掛ける。

 「どうしたの、綾波さん?」

 「え? ああ、洞木さん」

 「また何か悩み事?」

 「……うん」

 「今度は何? 私が相談に乗るから言ってみて」

 「……ありがとう。あの……絶対に誰にも言わないでね」

 「もちろんよ」

 「実は……今日は何曜日か忘れたの」

 「なんだ、そんな事。今日は『日曜日』よ。それがどうかしたの?」

 「そう、それじゃまだ先ね」

 「何が?」

 「水曜日が」

 「そうね。まだちょっと日にちがあるわね」

 「じゃ、この続きは水曜日に教えるわ。じゃ」


 外伝 壱 先行公開編 <完>


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